ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりの役割 トップ5

ぼくは毎日学級だよりをだします。でも、そもそも、なぜ学級だよりを書いているのでしょう。子どもたちと一緒にクラスをつくるためのものだと位置づけ、学級だよりを子どもたちと一緒に読む時間を大切にしているぼくですが、あらためて、ぼくが学級だよりを出す理由トップ5を考えてみます。

 

 

①学級のことを伝える

やはり、この役割は欠かせません。高学年になるほど、なかなか自分から学校の出来事を説明しなくなっていくものです。

5年生とか6年生の担任になれば、お父さんやお母さんが「最近うちの子、学校のことを話してくれないな」と感じておられることをまず知っておくべきだと思います。

だからこそ、「子どもの代わりに伝えます」というのが学級だよりの役割の第1になります。ご家庭に向けて、「伝えたいと考えています」という意志を示したいと思って、学級だよりを書いています。

だから、学級のことを伝えるといったときに、ぼくの書く学級だよりでは、教室で笑ったこと、怒ったこと、褒めたこと、楽しかったこと、悲しかったこと、すべて書きます。ぼく目線で。家の人には、「ああ、この先生は、こういう出来事を、このように捉えるんだな」と思ってもらえたらいいなって思っています。

最近は、家庭訪問などがない学校も増えているようです。でも、子どもを育てている人がどのような考え方でどのような行動をする人なのかということを、保護者は知る権利があると思っています。だから、学級のことを伝えながら、自分自身の考えを綴るようにしています。

 

②一日を振り返る場

学級だよりは、ぼく自身が、一日を振り返る場です。

振り返りながら、

「ああ、○○くんと話ができなかったな」

「△△さんのあのときの表情、暗かったよな」

など、振り返ります。

 

放課後に振り返っても、翌朝に記事を書くということもよくあります。

どうしても、放課後の方が、ネガティブな記事になりやすいのは、ぼくのクセなんだと思います。だから、メモしておいて、朝に書きます。そうしないと、記事を通して子どもたちを元気にさせるという目標が達成できないからです。

 

夕方振り返った時に気になることがあれば、家に連絡します。

それは、問題があったときだけではありません。

よいことのときでも電話連絡します。小さな1対1のやりとりを積み重ねることが大切だと思っているからです。

「とつぜんお電話してすみません。学校からの電話なんて、驚かせましたよね。でも、わるいことじゃないんです。ひとつお願いがあって電話しました。明日の学級だよりに、○○さんのことを載せます。いいことです。だから、その学級だよりを見て、ぜひ、ほめてあげてほしいんです」と、「お願い」という形にしながら、子どものよいことを直接耳にいれます。

 

こうして1対1の瞬間を大切にできるのも、ぼくにとって学級だよりの効果のひとつです。学級だよりの、というより、学級だよりを書くモードで生活することの結果と考えています。 

 

③授業の質を上げる

学級だよりには授業のことも書きます。がんばっている子どもたちの描写を通して、どんな授業が行われているかを描きます。でも、ときどき、「何日間か授業のことかけてないな」と思うときがあります。こういうときは、授業に力が入れられていないときです。自分のなかで、「これはまずい」と思うタイミングです。これでは、子どもたちが授業を楽しめているはずがない。

それを感じた時は、普段以上に教材研究に力を入れるようにしています。これに気付けるのも、学級だよりを書こうとしているからこそです。

 

④子どもの作品の紹介

これは、言わずと知れたことです。場合によっては、これをメインにしている先生もおられるだろうと思います。ぼくは、作品紹介では、「どういうところがよいか」という観点を必ず説明するようにしています。ノートの紹介でも、できるだけ具体的に。きれいさだけでなく、「前回こういうノートだったのが、こうなりました」という成長の記録などを紹介できるよう工夫しています。

 

⑤題名に思いを込め、毎日繰り返す

毎日記事は変わりますが、変わらないのが題名です。

配るときには、じゃあ、「○○配るからね」と、学級だよりの名前で呼びます。だからこそ、子どもたちが毎日耳にする題名に、このクラスで一番大切にしたいことを注ぎ込みます。4月の学級びらきでは、どうしてこの題名にしたかを、しっかりと話します。先生によっては、子どもたちに決めさせるということもあると思いますが、ぼくは、子どもの考えは聞くとしても、やはりぼくの思いも大切にして決めています。

 

 書くこと自体が、自分を振り返ることになり、めざすクラスのイメージを明確にする

<書く>ということは、 <振り返る>ことを意味しています。

振り返るとき、いままでの軌跡を振り返りながら、今の自分を理解するようにつとめます。すると、そのなかで、<なりたい自分><めざすクラス>のイメージが少しずつ具体的になってきます。

結局、ぼく自身にとって学級だよりを出すことは、情報発信のためであると同時に、自分自身づくりのために必要なことだといえます。