ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

終わり方を考えるようになった・・・

仕事をしてくるということは、たくさんの方のお世話になってくるということです。

ぼくも、たくさんの方と出会い、お世話になってきました。

そして、たくさんの方が学校を離れていくのを見てきました。たくさんの方が離れるということの意味は、他校への異動もあるし、退職もあります。

退職・・・これは、大きなテーマだと思っています。

もっといえば、「どのように退職するか」ということです。

 

お世話になった先生方が仕事を終えられる。

勤務してきた年数は、様々なことの繰り返しだったことと思います。

嬉しいこともあれば、つらいこともあったことと思います。

それは、そうなんです。間違いありません。

 

ぼくには、学校で、お母さんのように慕ってきた先輩がいました。

学校現場に入った時に、学年主任をされていたのがその先生でした。

いつも子どもを信用すること。つらいことがあっても、絶対にわかってくれる人がいること。全員がこっちに向いてくれないようなときでも、こっちを向いてくれる一人のためにがんばれる教師でいること。保護者に理解してもらえるかどうかは、子どもとの一回一回のやりとりできまること。様々なことを教わってきました。

 

年数を重ねるにつれて、その先生が引退される時期に近づきました。

でも、その先生の最後の年も、けっして気持ちよく時間が流れていったわけではありませんでした。先輩先生方にとって、この先生という仕事は、なかなか過酷な時があります。どの仕事も大変なことがあるのだと思いますが、子どもたちとぶつかりあうという勝負は、学級がうまくいっていないと、本当に体力も気力もすり減らすことの連続です。ぼくは、その先生の、疲れていく様子を見ているのが本当につらかったです。

 

その頃から、ずっと思っていることがあります。

それは、一緒に働いている先生方に、幸せに引退していただくということです。

最後の年を、「この仕事をしてきて、いろいろあったけど、よかった」と思っていただきたいです。

 

もちろん、子どもが一番大切ですので、そのことをおろそかにするつもりはありませんが、ぼくは仕事をする上で、いつもこのことを大切にしています。

 

そこから翻って、いま、『LIFE SHIFT』を読んでいますが、いよいよ、自分自身のこれからのことも、真剣に考えていくときがきているのかと感じています。