ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|創刊号でしめす、クラスの2つのルール

先日おとどけした、学級だよりバックナンバー第1号は、2010年のものでした。

これは、2015年4月のものです。以前のから、すこし変化があります。

  

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2015年の自己紹介

今年1年間みんなと一緒に成長していきます。よろしくお願いします。

今、みんなの胸に、「友だちとうまくやっていけるかな」「勉強難しくなるのかな」など、緊張や不安があるのと同じように、先生もドキドキしています。でもそれ以上に、「どうやって今年一年間を最高の年にしようかな」とワクワクしています。

今日から、6年1組は1年間の冒険に出発するわけです。1年間の冒険ですから、たくさんのことがあるでしょう。運動会や修学旅行、連合運動会などの行事があり、最後には卒業式があります。難しい勉強もあります。では、周りをぐるりと見回してみてください。そこにいるのは、行事や学習などを一緒に乗り越えていく仲間たち。この仲間たちと力を合わせて、元気いっぱい笑顔いっぱいでがんばっていきましょう。

大変なこともたくさんあるでしょう。冒険なのですから、嵐が来ること、大きながけがあることなど、いろいろ想像できます。では、これらのなかで一番怖いのは、何でしょうか。先生が怖いと感じているのは、周りの仲間を信じられなくなることです。それでは、冒険は絶対にうまくいかない。どうされたら仲間を信じられなくなるのか。たくさんあると思いますが、ウソをつかれたり、ひどい言葉をかけられたり、無視されたりするのは、とてもつらい。

やっぱり、ぼくは、クラスの子どもたちとの1年間を、冒険のようなものととらえているようです。そして、このあとで、ルールを説明します。

ぼくはクラスのルールを2つにしぼり、これを大きな柱にして学級づくりをしていくようになりました。

上の後、このように続けています。

だから、このクラスの第1のルールは「友だちのことを大切にする」にします。一つ一つの行事や勉強は、あなたたちを強く大きくします。より強く、より大きくなっていくために必要なのは真剣に取り組むこと。でも、人は、心が傷ついていたり、体の調子が悪かったりするときには、真剣に取り組むことはできません。だから、ぜひ、自分を大切にしてほしいと思います。つらいときには、ぜひ、それを打ち明けてほしい。こういう気持ちをこめて、2つめのルールは「自分を大切にする」です。この2つのルールをクラスの中でじっくり読んだら、さあ、みんなで冒険に出発します。

(2015年4月7日 6年1組学級だより『ほっと』 創刊号)

 

 

クラスのルール1:友だちのことを大切にする

これは、子どもにとってとても理解しやすいことです。

最初にぜったいに語ります。友だちを大切にしないことは許さない、と。

 

クラスのルール2:自分を大切にする

こちらは、抽象度がぐんと上がります。ぼくじしん、ルール1にくらべて、こちらは難しいと思っています。だけど、高学年になればなるほど、こちらの方が重みをもってきます。ぼくは、これを理解できるように、学級で活動するたびに、「この行動は自分を大切にしていていいね」「このようにできたことは、自分のことを大切にできているね」と、具体でみとめていきます。

 

ルール1もルール2も提示して終わりではない

提示すればできるのであれば、学校の先生の仕事なんてなくなってしまう。ぼくは、そう考えています。提示したならば、そうでないときに子どもたちと語り合い、それができたときに子どもたちと喜び合わなければいけない、と思います。

 

ぼくは、まずは、最初の3日間を使って、これができていないところを徹底して見つけます。そして、その上で、じっくり考える時間をもちます。そして、その考える時間のことも、そのときの学級だよりで紹介します。

 

本当に友だちを大切と思ってる?

でも、最近、ルール1の友だちを大切にするは、すこし見直し中です。

「友だちのことを大切にする」は、言葉としては理解できるが、実際に実感できていない子どもが多いのではないかと、感じているのです。

たとえば、友だちはいつも自分の悪いことばっかり言ってくると感じている子どもがいるとすると、その子どもは、友だちを大切にしたいとは思えていないかもしれない。

・「友だちがいないといやでしょ?」

・「友だちが大切でしょ?」

・「友だちはすてきなものでしょ?」

いろいろ言いますが、実際に子どもたちは、これをそんなに感じていないかもしれない。そうすると、ルール1を徹底するには、「友だちはいいもんだ」と実感する場所を作らなければいけない。いまは、そういうところから準備しなければいけない時代なのかもしれません(昔がどうのというつもりはありませんが・・・)。

 

「いじめは許しません!」「悪い言葉は許しません!」

ぼくは、最初のころは、これらのルールを決めていました。

「3段階で怒ります」みたいな宣言をしたこともあります。

でも、行き着いたところは、ぼくには、この3段階を使いこなせないというところです。「悪い言葉は許しません!」も「いじめは許しません!」も、具体的っぽく、でも実に曖昧な言葉で、ぼくはこの言葉を使いこなせません。

ルールを破ったものが出やすいようなきまりは、作りたくありません。

ぼくはルールを決める時、クラスで起こった出来事で注意する必要が生まれた時に、子どもたちに示す理由として示すことができる言葉を探します。その結果たどりついたのは、上の2つのルールなのです。

なんども言いますが、ぼくがたどり着いた言葉です。ぼくは、悪い出来事があった時に、基本的にどの出来事も、この2つのルールのどちらかにつなげて指導する。ぼくにとっては、使いやすい言葉たちなのです。

 

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「ほっと」は2015年の6年1組のタイトルロゴです。