ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|クラス会議をして(2015年学級だより『ほっと』第100号より)

学級だより『ほっと』をみていたら、第100号にこういう記事がありました。

 

秋、連合運動会の準備をしている。

得意な種目の練習に取り組んでいる子どももいるが、自分の希望ではない陸上競技に挑戦している子どももいる。

何かひとつのことを行うとき、クラスの子どもたちの温度差はバラバラです。でも、だからこそ、互いを思いやるような活動を計画して実行しようというのは、担任として嬉しいことだと思っています。

この年の子どもたちは、どこでも行われているクラス内の学活だと思う。でも、けっきょく、そういう素朴な出来事こと一つ一つが子どもたちの心の中に、どのような形で残っていくか。そこが、子どもの成長の、そしてクラスの成長の鍵だと思っています。

 

 

クラス会議をして

先週の水曜日、クラス会議が開かれました。新しい代議員になって初めてのクラス会議です。テーマは、クラスのつながりを強くするためにということです。先生は、こういう話し合いがあるといいな、と思っていました。

先生の嬉しかったこと、右の作文(下の作文)にしっかり表れています。先生の見ているところと、みんなの見ているところは、だんだん近づいています。これがまた、嬉しいことです。クラス会議について、もっとたくさん書きたいと思っていたんだけど、なかみは、みんなの作文に任せることにします。

代議員であるSくんとMさんの活躍はうれしかったですね。自分たちで話しやすい机の配置を作って、話し合いをすすめていく。

手を挙げていない友だちの考えも聞こうとしている姿勢は、とてもすてきでした。同時に、みんなの中からも、意見を言いにくい友だちや、今ケガをしている友だちを大切にする考えが出てきましたね。とくに、Fくんは、とってもいい発想をしていました。みんなも、そう思ったでしょう。

ああいう時って、「まだ意見を言っていない友だちの気持ち」って気になるよね。それを、思いやる雰囲気が、とてもかっこよかったです。

(2015年10月13日 6年1組学級だより『ほっと』第100号より)

 取り上げたい子どもたちの様子は、その後クラスの中に広げたい子どもたちの様子です。これを書く理由は、子どもたちに「先生は、こういうことが大切だと思っているんだ」「こういうことをすればいいんだな」と、クラス内のよい行いを知って欲しいからです。

 

先生をしていると、自分の思いを子どもたちは理解しているという前提の上ですすめられることが多い。でも、趣意を語らないで、伝える努力をしないで、子どもたちとの理解のチャンネルがあっていると考えるのは、あやういと考えるようになった。

 

だからこそ、具体的な場面をつかいながら、そこにどう価値付けをするかを一回一回伝えたい。

 

子どもの作文

ぼくが思ったことは、ゆったりしたあそびでも、はげしいあそびでもどっちでもよかったんだけど、足が悪い人がいるから、ゆったりした遊びがいいんじゃなかなと思いました。代議員のSくんは、みんなを笑わしてくれたり、クラスを盛り上げてくれました。Mさんは、黒板にみんなが言ってくれていることをまとめて書いてくれました。ぼくは、全部、どちらでもよかったのですが、友だちがしたら危ないこととかがあるのであれば、その子に合わせます。無理に合わしてはいません。ぼくたちのクラス会議にとって代議員は大切です。いい代議員がいて嬉しいです。(SAくん)

 

うちのクラスの代議員のSとMが、「連運が終わったらお楽しみ会をする」って言った。わたしたち、みんなやりたいと思ってたから、それを聞いて、「やったー!」と思った。もし体育館でお楽しみ会をやるんだったら、バトミントンがいい。教室はやっぱり騒いだりしたら周りの教室の人たちにも迷惑だと思う。SとMが、先生に言って話し合いの時間も作れたから、みんなで計画を考えようっていってくれた。みんなで楽しめるきっかけをつくってくれた。こういうのがうれしいな。(Kさん)

 

お楽しみ会の話をした。でも、この話ができたのは、新しくなった代議員が先生に頼んでくれたからです。そのおかげで、みんなやりたいことを伝え合って、自分たちのことを考えられた。嬉しかったです。今日の話し合いで「すごい」と思ったのは、Tさんがみんなと違う意見を言っていたことです。みんなからいろいろ言われるのはたぶん分かっていたと思います。とっても勇気があるなぁと思いました。今回の話し合いでちょっとくやしかったのは、Eちゃんとかがちょっとひまそうやったから。やっぱり、みんなの意見が出てこないといけないです。わたしもできることがあったら、やります。(Oさん)

 

(2015年10月13日 6年1組学級だより『ほっと』第100号より)

 

誰一人、自分だけのことを書いているわけではない。

ポイントは、すべての子どもがすぐに、相手を思う気持ちを形にできるとは限らないということ。だからこそ、こういう作文を子どもたちに紹介することは大切だと思います。

 

こちらもあたりまえのことですが、これを読んだ時にはもちろん、代議員のメンバー、「いい友だちに囲まれてよかったな」と言葉をかけます。「みんなに認めてもらえる代議員って幸せだよな。」と。

そして、他の子どもたちにも伝えます。「代議員にそう思わせてあげられるみんなは、すてきだよな。やっぱり、代議員に、『ここで代議員をしてよかった』と感じさせられるのは、みんなだよな」と。

 

子どもたちは、にこにこして聞いています。

 

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6年1組学級だより「ほっと」の題字