学級だよりバックナンバー|スタートから、自分の思いを訴えていく。それこそが、自己紹介です。
この年の子どもたちの出会いは、ぼくにとって、いろいろなことを感じる瞬間の連続でした。もちろん、毎年、いろいろなことがありますが、勤務している年数からいっても、そろそろ異動だろうというときだったのもあり(実際はもうしこし長かったのですが・・・)、スタートはいろいろと考えていました。わたしが2日目の朝に配ったのは、次の2つの記事でした。
すてきな1年間をつくっていける予感
昨日、みんなといっしょに過ごした時間、楽しかったなぁ!
みんなはどうだった?
昨日学んだ2つのこと、言えますか?
先生は、すでに昨日の夜から、今日みんなにあうことを楽しみにしてました。
だって、最初の日なのに、みんなお手伝いはしてくれるし、あたたかい声をかけてくれるし、すっごくおどろいたから。
みんなとさようならするときの、じゃんけんの声。コンピュータ室の向こうでも聞こえてたって、ある先生が驚いていました。「え、そうですか。すみません」って言いながら、先生の心の中は、「やったぁ!大成功!!」。うれしかったです。
春休み中に誕生日をむかえたTくんに歌を歌ったり、大きな声であいさつをしたり、いろいろなことをしたね。みんなの笑顔がたくさん見れて、先生はとっても幸せでした。
先生の名前クイズの時間には、全員が手を挙げることができました。
これも、うれしかったしゅんかんです。
「お、このクラスは、できるぞ!!」って思いました。
手紙を配るときには「ありがとうリレー」。前の人が次の人に手紙を手渡すとき、「どうぞ」と声をかける。そして、それに「ありがとう」が返る。1組ではこれを「ありがとうリレー」とよびます。1組語です。
新しい教科書をとりにいくとき、お手伝いをしてくれた友だちありがとう。でも、とりにいくだけがお手伝いではない。たくさんの友だちがお手伝いの列にならんでいるのを見て、自分は行かなくても大丈夫と判断して教室に残った友だちも、よく頭をつかっている。さすがです。
自分たちで教科書をくばったら、数が合わなかった。「どうしよう・・・」ってなって、全員で確認をした。あれは、OK。なぜなら、みんなで考えたんだから。あのときに、「みんなでもう一回確認しようよ」って声を出してくれたKさん、ありがとう。最初の一言って、勇気いるよね。「最初の一歩の勇気」は、1組語にししょう。
みんなの目から見て、がんばっていたのはだれでしたか?
先生の目から見たら、やっぱりあの子かなぁ・・・。わかる?
(2016年4月8日 5年5組学級だより『5の5のきせき』第2号より)
ここにある「ありがとうリレー」と春休み中の誕生日の人の誕生日写真撮影は、ぼくが毎年することです。できる限り、初日にやるように心がけています。
新しい大量の教科書を配る時、前年度の学級から荷物を移動する時、子どもたちにはお手伝いをお願いすることになります。そのときには、次の日の学級だよりに載せることを考えながら、子どもたちのことを観察しています。
それを、学級だよりに紹介するのが、この第2号の役割です。
「先生は、ぼくたちがいいことをすると、見ていてくれるぞ」
そういう感覚を、できるだけたくさんの子どもたちにプレゼントすることが、安心できる学級づくりのスタートだと思っています。
保護者の皆様へ
昨日家に帰った子どもたちの表情はいかがでしたでしょうか。
昨日の私自身の目標は、子どもたちを笑顔でご家庭に帰すことでした。
4月の最初、私が力を入れたいと思っているのは、「お互いを知り合うための時間を積極的につくる」です。子どもたちどうしをつなげるということです。
「勉強よりも友だち関係を」という保護者の方の声もしばしば聞くのですが、1組ではこれから学習に力を入れていきます。「学んでいることがわからない」ということは、学校で過ごす時間が、つまらない時間になってしまうからです。授業の中でも、子どもたちどうしが話をする時間をぐんとふやしていきます。話をする際に大切にしたいのが、言葉です。
大きな問題が起こらないことをめざしますが、問題が起こらないことがすべてだとは考えていません。むしろ、1年間の中にはいろいろなことがあります。だから、問題0をめざすと同時に、問題を解決していける力をつけることを大切にしていきたいです。
そこで、初日である昨日からはじめたのが、「きせきのノート」というノートです。ここに、子どもたちの成長の「軌跡」が残っていくことになります。ここに残る成長の記録が子どもたちの「自信の土台」になったとき、子どもたちの力はぐんと伸びると考えています。どうぞ、あたたかいお声がけをお願いいたします。
(2016年4月8日 5年5組学級だより『5の5のきせき』第2号より)
毎年ある保護者の方々への最初のお手紙です。
言葉を選ぶのにとても緊張します。
とくに、下線部をひいた、「問題0」をめざすとともに、「問題を解決していける力をつけること」を大切にしたいというくだりは、なんども書き直しました。
このような書き方をしたら、保護者の方々にはどのように映るだろう。
ぼくが、「問題が起きても仕方ない」って考えているようにうつってしまうかな・・・と、すこし臆病にもなっていました。でも、ここを怖がっては、子どもたちと本気の勝負はできないし、本気の勝負ができなかったらお子様を預かっている者として責任を果たすことにはならないと考えていましたので、思い切ってとどけました。
ぼくは、このスタート、保護者の方々にうけとめていただけたと感じました。
そして、だからこそ、一年の中で大胆な決断をしていくことができるようになりました。
もし、受け止めていただけていないと感じた場合、どうしたでしょうか。
ぼくはその可能性も考えていました。そして、そのときは、直接お話をさせていただこうと腹を決めていました。この角度の保護者の方々との話は、ぼくにとって悪いものになるはずがないと確信していたからです。