ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|どんなクラスにしたいですか?先生は生徒を大事にしますか?(子どもの質問に答えて)(5年5組学級だより『5の5のきせき』第5号)

始業式、ぼくは子どもたちに日記を出した。

この年、ぼくのクラスではこの日記ノートを『きせきのノート』とよんだ。

この日のテーマは、「先生への質問」。そのなかには、たくさんの質問があった。

その質問に答える形で、ぼくは子どもたちに、自分の考え方を広げる。

 

 

 

<どんなクラスにしたいですか>

これは、すばらしい質問だよね。Aさんからの質問です。

いろいろあります。でも、大きく言えば、みんながニコニコできるクラスです。

でも、ニコニコにはいろいろな段階がある。クラスは成長するものです。

なかにいるみんなが成長すると、クラスって成長していくんだ。

まずは、「あたたかい認め合いが 40人でできるクラス」をめざします。認めるのなかみは、これから、道徳などで考えていきましょう。

(2016年4月11日 5年5組学級だより『5の5のきせき』第5号より)

 

この質問、ぼくは毎年待っています。なぜなら、この問題は、全員に関係あるものだし、全員に聞いて欲しいからです。聞かれていないのに話し始めるには、若干時間がかかる問いです。だからこそ、最初の段階でこのような質問が出てきてくれると、子どもたちと正面から向き合い、さらに共感しながらクラスの方向性を考えていけるので、こういう質問をしてくれる子どもに、心から感謝をします。

 

先生は、生徒を大事にしますか?

高学年らしい、鋭い質問です。

もちろん、大事にします。でも、大事にする方法は、みんなが考える方法とはちがうかもしれません。

「どうして先生になったのですか?」という質問にもつながるけど、先生は、「小学校の先生」は「将来をつくるすてきな仕事」だと思っています。みんなに接するときは、みんなの将来を作るつもりでいます。「将来のためだから我慢しなさい」という意味ではありません。いつも、「いい子だね、いい子だね」とは言ってあげられないかもしれない、ということです。その子の言動(言葉や行動)が、間違えていれば、本気で注意し、話します。だってね、あなたたちの将来はたしかに広がっているんだけど、これから、もっともっと広げることができるから。そのために先生は先生になった。間違えている(と感じる)ことがあったら、注意する。自分の楽しいのために、誰かを傷つけている人がいたら本気で戦う。これが、先生が生徒を大事にするという意味です。

(2016年4月11日 5年5組学級だより『5の5のきせき』第5号より)

このような質問が出てくるのは、ぼくが「怖い先生」と思われているからです。

最近では、担任がぼくになった瞬間に、 「今年は好きにできない・・・」と思うやんちゃな子がたくさんいるらしい。だからこそ、このような質問が飛んでくる。質問がくるということは、質問してきた人の数以上に、この問いを心の中にもっている子どもたちがいるということ。ぼくは、真剣に向き合います。その向き合った結果出てきたものは、子どもにも、その先の保護者にも、きちんと伝えたいと思っています。

 

 

ちなみに、ぼくは、質問に答えるという形を、実に、よく使う。「子どもの質問」から始めることによって、そのテーマについて書き始めるまでの道筋を長く書かなくても、自然とテーマにフォーカスできるからです。

 



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