ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|むやみやたらに、あなたたちをさびしい気持ちにさせたりしない。(『6−1のきせき」第8号より))

委員会とか係を決めるというのは、スタートのなかでも大切なことのひとつ。子どもたちは楽しみにしていますが、そのときも子どもたちどうしの人間関係を大切にします。学級をつくっていくスタートが気持ちよくきれるかどうか、勝負のところ。

ぼくは、その次の日に、学級だよりにこのように書いています。

  

昨日やったことのなかの大きなことは、委員会とか係を決めたこと。

 

代議員に立候補してくれたのは、Fくん、Yくん、Nさん。

女の子はすぐに決まったんだけど、男の子は2人の間で選ぶことになってしまった。

でもそれはそれで、とてもステキな勉強になったと思っています。

何より、「クラスのために動きたい」という思いで勇気を出して手を挙げてくれたことがうれしい。そう思いませんか。この勇気の一歩が、すてき。3人ともありがとう。

 

先生は、この時期は、いつもとても慎重です。

だって、みんなの人間関係が、まだまだ不安定だから、どこかにさびしい思いをしている友だちがいるんじゃないかと、いつも気になっています。

 

実は、前回の授業のときも、仲よく協力している友だちがたくさんいるなかで、側にいながら声がかけられなかった友だちもいた。先生にはそう見えた。だから、先生、この時期に委員会を決めるの、とても慎重でした。

 

掃除の当番を決め、委員会を決め、給食当番を決めていくとき、先生は途中で言いました。「全部、同じペアと組むということはないようにしようね」と。どんな反応が返ってくるかと思ったら、最初に先生の気持ちを理解してくれて、動いてくれたのがTくんとKくん。「だったら、かえよ」って言って、すぐに動いてくれました。そういうところが先生は、とってもうれしいのです。

他のグループも、「だったら当番は違う友だちとにする」と言ってくれました。先生は、こうやって、思いが伝わっていく様子がうれしかった。

 

先生、約束します。

むやみやたらに、あなたたちをさびしい気持ちにさせたりしません。

あなたたちの動きを制限するようなことをするとしたら、どこかで、さびしく感じている人を見つけているときです。先生の思いは、たぶん、みんなと同じだと思う。先生は、みんながにっこりできるクラスを作りたいんです。そして、「先生は」作りたいと言いましたが、6年生では、実際に作るのは先生ではなくて、「みんな」なのです。

 

昨日の4時間目。先生は、授業をしようと準備していました。

そうしたら、クラスの何人かが話をしていました。

 

「まだ、仲が良くなりきっていないから、みんなでトランプして仲を深めた方がいいと思う」

 

そういう考えでした。先生は、のりました。

先生は、勉強をとっても大切にします。でも、昨日のその友だちの発想は、クラスのことをしっかり考えた、前向きな意見として受け取りました。代議員が先生に言ってきてくれたしね。

 

 みんなで作ろうよ。

 世界一のクラスを。

 最高のクラスを。

 

・・ところで、最高のクラスって、どういうクラスのことなんだろう。ちょっと考えてみたいね。

 

 

(2017年 4月13日 6年1組学級だより『6-1のきせき』第8号より)

 

「むやみやたらに、あなたたちをさびしい気持ちにさせたりしません。」

 大きなことをいったものだと思います。

でも、最初の段階では、この断言することが大切だと思っています。

ただ、断言するからには、子どもたちはずっと見ていると思った方がいい。

断言したのにその通りにしないのは、最初の契約違反。

「先生だから」の権力で子どもたちを監視するのではなく、個人として子どもに向かうのあれば、この契約違反は致命的。その連続で、信頼をなくす。

 

ただ、断言することは、とくに立場が弱い子どもを守るためのものとして有効です。

これは大切にしたいということを、自分がフォローアップしていきやすい表現で断言する。子どもたちには、堂々と接したいものです。