ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

映画|ブリッジ・オブ・スパイ|弱い部分もある人間が、苦悩のなかでつかみ取った選択を守りながら生きていく姿に惹かれる。

映画『ブリッジ・オブ・スパイ』を見ました。アメリカとソ連の一触即発の冷戦状態における人間と人間の絆。不屈の男(standing man)は、どうして不屈の男なのか。強さは何か。いろいろと考える作品になりました。

 

 

<映画の紹介>

アメリカとソ連が一触即発の冷戦状態にあった1950~60年代。

ジム・ドノヴァン(トム・ハンクス:弁護士役)は、保険の分野で実直にキャリアを積み重ねてきていた。それが、ソ連のスパイの弁護を引き受けることになる。弁護するなかで、突然やってくる、世界平和を左右する重大な任務ー「自分が弁護したソ連スパイと、ソ連に捕らえられたアメリカ人スパイの交換」。特別ではない(といわれるような)平凡な人生を歩んできた男が、米ソの戦争を食い止めるために全力で不可能に立ち向かいます。

 

<映画のポイント>

●第88回アカデミー賞(R) 助演男優賞受賞! (マーク・ライランス)。作品賞をはじめ全6部門ノミネート!

スピルバーグ×トム・ハンクス ハリウッドの2人が再び集結!

●平凡だが知的・信念の道を歩む市民弁護士と自国を愛する年老いたスパイ。ふたりの男の信念と心のつながりが感動を呼ぶ。

 

えっへんたろうに影響を与えた3ポイント

 

1.背中で語る standing man のかっこよさ

 トム・ハンクス演じるジム・ドノヴァンが、ソ連スパイを見送るときの立ち姿。かっこよかったです。でも、これは、それまでを戦い続けてきたからこそのかっこよさ。問題は、どういうふうに戦う人生を歩むことが、standing man(不屈の男)としてのかっこよさにつながるのかという部分です。

 

2.自分を貫く生き方に心が揺さぶられる

 アメリカの意見に流されることも、ソ連の求めに応じることもできたわけですが、そこを自分の信念を貫くという生き方を選んだからこそかっこよかったわけです。結局は、人間として生きる以上、人間と人間の場面になったときに、「どのように生きるか」ということですね。そして、「どのように生きるか」というのは、人生のなかにおいて「何を選び、何を選ばないか」という場面にあらわれてくる。

 

3.心が揺さぶられる理由は、きっとAI時代も一緒だろうな

 ぼくたちの仕事もそうですが、AI時代になって、何が大切で何がそうでないか、今までの常識の何が生き残るか、仕事はどうか・・・・いろいろなことが変わってくる。だからこそ、ぼく自身も、いろいろなことを考える。先生として「子どもの前に立ち、語る」上で、何が答えか分からないというのは、「半分正解」だとしても難しいのです。でも、きっとこの「心揺さぶるのは、人間としての生き様」ということは変わらないのだと思います。

 ここのところ、戦争中をはじめ、非常事態に人々がどう選択をしたか、ということに関連する映画をいくつか見ています。でも、そこで描かれているのは、そのような非常事態、何が正しいか分からないなかで、「それでも人間でいることを貫く」ということが、ひとを惹きつけている。ぼくも、惹きつけられる。ここは、信じてもいいかなって思います。

 

 結局、弱い部分もある人間が、苦悩のなかでつかみ取った選択を守りながら生きていく。そのことから、ぼくたちは離れられない。

 そうすると、どのような気持ちでどのような選択をするのか。

 ここに影響するのが、ぼくたち小学校の先生の役割であってほしいなって思うし、そのことを意識して、自分の先生としての振る舞いを考えていきたい。

 

 そんなことを、感じていました。