ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級づくり|子どもたちが進んで言葉を大切にするクラスをつくる!!そのために、かならず4月にやっておくこと。

学校での実践の多くは、言葉をつかって行われていきます。

「非言語」も大切ですが、でも、やはり、言葉を大切にしている教室はあたたかい。

逆に、この言葉の力をないがしろにする教室は、ギスギスした感じになってきます。

すてきな言葉が飛び交う教室は相手を大切にしていると思います。

そして、その教室では、自分も大切にされている感じがします。

そういう教室をつくるために、4月からいったい、どんなことができるでしょうか。

 

 

4月の実践|「言葉の力ーぼくたちのクラスから追放したい言葉!」

 

ぼくは、

4月の間に、

「言葉の力ーぼくたちのクラスから追放したい言葉!」

をします。学習は、いたって単純。

 

まず、子どもたちに語りかけます。

 

「なあ。これから、1年間ずっとみんなで生活していくだろう。

 1年後に、

  ”たのしかった!”

  ”また、このクラスになりたい!”

 ってみんなが思えるためには、

 クラスの中から、どんな言葉を追放しないといけないと思う?

 みんなは、どんな言葉を言われると、いやな気持ちになるかな?」

 

ぼくがポイントとしているのは、

① 具体的な場面を想像できるように語ること

② 自分ごととしてとらえられるようにすること

③ 目的を明確にすること

 

 

子どもたちに考えさせます。

2年生とか3年生であっても、

自分たちが聞きたくないクラスというのがあります。

 

それを、4月の間に形にさせます。

そして、その出し合った場で、

 

 

このような言葉が聞こえた場合には、先生は注意をする

友だちどうしでも注意をし合う

 

ということを、しっかりと決めておきます。

 

 

学級は、先生の持ち物ではありません。

子どもと一緒に、作り上げていくものだと思います。

だからこそ、

クラスの方向性を決めていくときには、

できるだけ子どもたちに想像できる形で、

語るようにします。

 

「語り」をないがしろにすると、実践は子どものものにならない

 

ぼくがみている限りでは、

 

こういう「語り」に時間をかけず、

 

なんとなく、「先生のあたりまえ」に基づいて、

「こういうほうがいいだろうな・・・」

という<思い優先>で実践を積み重ねるクラスは、

「よさ」が続きません・。

 

実践は悪くない。

意図も悪くない。

計画も悪くない。

 

それなのに、

そういう実践が続かないのは、

多くの場合、

子どもたちにビジョンが共有されておらず

よって実践が、

子どもたちのものになっていないのです。

 

ちなみに、2016年、5年生たちは次のような言葉をノートに綴りました。

学級だよりバックナンバーからみてみます。

 

学級だよりバックナンバーより(2016年4月19日「5の5のきせき」第16号)

 

・人が傷つく言葉(Aくん)

 

・バカ、アホ、死ね、消えろ、ボケ、きしょい、チビ。なぜこのような言葉がなくなってほしいかというと、私は、このような言葉を聞きたくないからです。あと、このような言葉を言われたら一生心に残った傷は消えないから、なくなってほしいなと思いました。(Bさん)

 

・わるぐちをなくしたい。先生が注意した、うっとうしいとか、じゃまとかをクラスでなくしたいです。(Cさん)

 

・○○きえろ。○○うざい。○○ころす。○○かす。○○ちび。まるまるデブ。○○きっしょ。○○アホ。(Dさん)

 

・ちくちく言葉(ばか、あほ、ぼけ、かすなど)。言っても言われても傷つくからです。いじめに関する言葉。いじめがおきると、いじめられている人がいじめられなくなっても、心に傷が残るからです。あたまいかれているとかいう悪口。言われた人が傷つくからです。(Eさん)

 

・しね、だまれ(Fくん)

 

 1つ目は、うっとうしいです。なぜなら、金曜日にいっしょのクラスの男子が、けんかみたいなものをしていて、うっとうしいとか言っていて、それは言っていいことじゃない!と思ったから、このクラスでなくしたい言葉にうっとうしいというのを書きました。2つ目は、死ねと言う言葉です。なぜなら、うっとうしいもそうだけど、死ねは、人を傷つける言葉だから、だめだと思いました。(Gさん)

 

・友だちがよい意見や答えを出しても、あまり反応をしなかったら相手が傷つく。(Hさん)

 

・きえろ。きもい。だまれ。そんざいがいらないというような言葉はだめ。(Iくん)

 

・きもいとかいう言葉は、暴力とはちがうけど、人の心を傷つけ、しかも、心の傷はなおらない。(Jくん)

 

・人の傷つく言葉はなくしたい。たとえば、どっかいけ、しね、きえろとか、イヤな言葉はなくしたい。けんかのない平和なクラスにしたい。「えぇ、とっか、やりたくない」っていう気持ちになっても、声には出してはいけない。みんなのやる気がなくなってしまうから、なくしたいと思う。(Kさん)

 

・めんどくさい。いっしょうけんめいやっている子も、「めんどくさい」とか「やる気ない」とか言われると、やる気とかがなくなってしまうからです。(Lさん)

 

・どけ。自分もたまに言ってしまうけど、人にどけと言ったら、言われた方がイヤになるから、ちょっとどいてとかの方が気持ちいいと思います。(Mくん)

 

・「死」という文字が入った言葉です。(Nくん)

 

 多くの友だちが考えてくれていたのが、「言われた人の気持ち」でした。あなたたちは、やさしい。今までに、「言われた人の気持ちを考える」というところについては、考えるように育ってきているんですね。小守くんが書いているように、「自分もたまに言ってしまう」ってあるよね。先生、今回みんなから出てきた言葉を教室の中で耳にしたら、それを注意します。みんなも、友だちが言っているのを耳にしたら、「それやめようよ!」って言ってあげようよ。

 

 

これぐらいのことは、どのクラスでも出てくるのです。

つまり、

見方をかえると、

子どもたちは、知っているということです。

こういうことを。

ただ、

これらを「追放するぞ!」という意思を

見える形にしておくことが大切なのです。

 

この年の子どもたちも

しっかり、「言われて嫌な言葉」を追放していきました。

 

もちろん、

1年後に求める姿を基準にして、

3学期をどうスタートさせたいか

2学期をどう迎えたいか

そのためには、1学期の終わりまでにどうするか・・・

それならば、7月は? 6月は?

と、少しずつ、今やらなければいけないことのイメージを具体的にしていきます。

 

簡単な実践で、

だれでもできるような実践だけど、

毎年やる実践です。

もし来年度担任をもつなら、

最初のころの公開授業でやりたいものです!!

 

f:id:nobounds-cloud:20190214171915j:plain