ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

「丸つけが大変!!」と悩んでいる先生方へ(技術編)

「丸つけが大変!!」と悩んでいる先生方がたくさんおられます。放課後になると、机の上に、子どもたちから集めたノートが山積み。そんなこともあります。

でも、この丸つけ、本当は子どもたちに力をつけるチャンスだし、関係性をよくするポイント。ぎゃくに、関係に傷をつけることもあります。ちょっと考えてみましょう。

 今日も仕事がひとだんらく!よし、いまから丸つけ。

 

あ、がんばってるんね。丸つけってけっこうたいへんなんだよね。

 

  

f:id:nobounds-cloud:20190222090534j:plain

まずは、子ども目線で。

 

ドリルをやった子ども、

プリントをやった子ども、

問題をやった子ども、

 

その子たちが気になっていることは・・・

どうしたって、

 

「結果は どうだったかな?」

 

ですよね。

 

ぼくたちだって、

一生懸命やった時こそ、

結果をはやく知りたい。

 

やっぱり、その気持ちに答えてあげたいものです。

 

 

でも、実際は・・・・

ですよね。問題は。

子どもの気持ちは分かってる。

でも、ぼくたちの目の前には、ドリル、プリント、ノートが山積み。

これでは、

「どうするの〜〜」

ってなります。

 

ありませんか?

たまってしまったノートを、

休みの日に学校に行って丸つけするというようなこと。

 

生まれる問題

 

ここで生まれる問題は、

 

子どもと大人との気持ちが離れる

 

という状況です。

あっという間です。こういうの。

 

しかも、それを毎日繰り返すのです。

効果はてきめん。

信頼を築くのは大変。

でも、関係を崩すのは簡単。

 

場合によっては、

「ぼく、いままではざつだったけど、今回は本気だったんだ」

なんて子どもがいたりするんです。

そんなこと知らないぼくらは、

これらを山積みの丸つけ予備軍のなかに埋もれさせてしまう・・・。

 

これでは、信頼関係は築けません。

 

もう少し分析を・・・

さて、まだ問題を感じていない方もおられると思いますので、

ひとつみなさんにやっていただきたことがあります。

 

一生懸命丸つけしたノートを明日配るときに、

ぜひ、配られたノートを子どもたちがどうしているか

見てみてください。

 

子どもたちが、それをまじまじと見ながら、

「なるほど。先生ありがとう」

というふうに、なっているなら、

その先生の労力は、意味があるといえます。

 

でも、そうでないなら、

受け取って、ろくに見もせずに、机の中にしまってしまうというような状況なら、

実はその労力、あんまり役に立っていないかも・・・。

 

ぼくも、

「今の子どもたちの理解状況を把握する」

には丸つけが必要と考えていた口です。

いまも、そのように考えています。

でも、それは丸つけの時だけにするものではないですよね。

子どもの理解状況をもっと効果的に把握する方法をつくればよいわけです。

 

問題が感じられたら、対策を

思いの外、大変な事をしているんだと

確認していただけましたか?

 

そうしたら、次は、

その対策をしなければいけない。

 

ぼくは、その対策をふたつの方向からしています。

 

  1. 丸つけの方法上の対策
  2. 回収の方法上の対策

 

です。

それぞれ、紹介していきます。

 

1.丸つけ方法上の対策

積極的に、子どもに丸つけさせるんです。

 

「なんだそんなこと?」

 

と思う方も多いと思いますが、

じつは、これをやっていない先生も多いです。

 

「え?子どもにやらせていいの??」

 

って、

まじめな先生方こそ、

考えやすい傾向があるようです。

 

でも、そういう先生にこそ切り替えていただきたい。

 

丸つけには学習効果がある。

丸つけの時間に、子どもたちのほかの力を育てているんだ、と。

丸つけの時間は、大切な学びの時間なのだ、と。

 

たとえば、

ぼくも採用させていただいている方法といえば、

中博史先生の、

 

「採点前に、子どもに予想を立てさせる」

 

があります。

これ、効果的です。

 

田中先生をマネして、ぼくもこのように声がけします。

 

「いまから答え合わせするよ。

 全部合ってそうかな?

 丸つけをはじめる前に、ちょっと予想してみよう。

 これは自信があるぞ!っていうところに、◎を書いてごらん。

 そして、これはちょっと・・っていうところには、△。

 どうかな?」

 

このあとがポイントです。

ぼくも、最初知ったときには「なるほど!そんなことありか!!」と思いましたが、次のように声をかけます。

 

 

「◎を書いたところが本当に丸で、△を書いたところが本当に間違っていたら、先生、10点ボーナスするわ」

 

毎回やると、先生、ぼく全部間違いにするわ。

みたいに、かしこい(?)ことを言ってくる子どもも出てきますが、まあ、それはそれで対応します。

 

でも、このような声がけをしながら丸つけすると、

自然と、楽しい丸つけになります。

そして、それだけでなく、

 

ふつうの見直しと

真剣な見直しの違いが生まれます。

 

真剣な見直しで集中力があがるという経験をする

ということが、子どもたちにとっても、すてきな学びになります。

 

もちろん、子どもが、

丸つけ前に△をつけた部分は、子どもが苦手に感じている場所だといえます。

それを後から確認すると、

子どもたちの苦手感が得られます。

これは、先生にとって、とても大切な情報になります。

 

 

1.子どもにやらせることの不安ー先生の本音の部分

でも、ぼくも小学校でつとめているからわかるのですが、

丸つけさせることに対する抵抗は、

もうひとつ別の部分からやってきます。

それが、

 

「保護者に、先生が見てくれないと言われてしまいそう」

 

ということです。

これは、ぼくたちにとって、

けっこう、大きな足止めになります。

丸つけのことだけでなく、

 

「Aということをしたら、保護者がどう思うか・・・」

 

という不安は、

結構、多くの取り組みに挑戦するときのブレーキになります。

 

では、不安も乗り越えましょう。

 

その方法は、

自分が丸つけをする問題を、事前に決めておくということです。

 

たとえば、ぼくたちが使う宿題に、

算数のプリントがありますね。

B5だとしても、A4だとしても、

その中に、問題が敷き詰められている。

 

これらの問題のなかの、鍵となる問題を決めておきます。

子どもが20この問題をとくとしても、

間違える理由は、おおきくは2つに分類されます。

a.「理解ができていない」

b.「ミスをしてしまう」

です。

 

ぼくたちが見つけなければいけないのは、a.です。

そして、a.がわからない子どもの力は、鍵の問題にあらわれます。

 

ぼくの場合は、プリントを配るときに言っておきます。

 

「今回は、①の問題と⑥の問題は先生が丸をつけますね。」

 

と。そして、丸つけの時に、机間巡視をしながら、

①と⑥だけ、丸つけをしていきます。

 

経験の浅い先生は、

このような考えでやっているということを、

何らかの形で保護者の方に伝えておくというのも大切かも知れません。

でも、それは、予防としてではありません。

保護者の方に安心して任せていただくためです。

保護者の方の安心感は、子どもから先生への信頼につながり、

子どもと先生との関係を良好にするための、絶対の基盤となっていくからです。

 

計画もなくやっていると思われてしまっては、

もったいないですからね。

 

 

2.回収の方法上の対策ー3ボックスで!

さて、次は回収方法上の対策です。

ぼくは、ノートなどを回収するときに、

回収場所を3カ所に分けています。

 

回収ボックス1は、「先生、今日のわたしのノートみて!」です。

ネーミングもその都度変えていますが、「見て見てボックス」です。

 

回収ボックス2は、「先生、あとでもいいよ」です。

こちらのボックスに入ったノートは、先生としても優先度はそれほど高くしていません。だいたいのノートはここに入ります。

 

回収ボックス3は、「先生、できたら見ないで・・・・」です。

提出しないことは一番よくないことなので、出させます。

でも、自信がないときもあります。

前の日に、どうしてもできなかったというときもあるでしょう。

そのときにも、このボックスに入れるように言っています。

このボックスのなかは、見ないのではありません。

もちろん、注意しています。

連続してこのボックスに入れる子どもがいれば、

その子どもには何らかの理由があると考えています。

その理由を、子どもたちとじっくり話をする。

 

ぼくは、このようにして、

自分の作品への思い入れの違いから、

子どもたちの今を確認しようとしています。

 

 

(この記事では、田中博史先生の

現場の先生がほんとうに困っていることはここにある! (hito*yume book)」』も参考にしました。よろしければ!!)

 

 

f:id:nobounds-cloud:20190221104239j:plain