ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|クラスの中にAとBという姿を見つけ、AとBとのどちらがよいかを考えさせる。 理想を決めたならば、それに近づけるかどうかを考える。

この日は、ノートの記録といっても、子どものノートで振り返るということをメインにしています。振り返るときに、授業の流れがわかるように振り返るということもありますが、この時はそれよりも、この4月の時点では発表をすること自体が大変だったんだという記録を残しておこうという意図がありました。そうすることで、1年後にこの学級だよりを見た時に、「最初はああだったんだな・・・」と感じてほしいという考えでした。

 

 

昨日は少人数の先生の算数でした。

 

 みんなのふりかえり、先生も見せてもらいました。

 どんなことが書いてあったかな。

 

・きょうは1回目の算数の授業で、Iくんは考え方がわかりやすかったので、Iくんの言葉を変えてまねしてみたいです。(Yくん)

 

・・・またこの問題をしたいです。横のYくんが前に出て発表してくれてました。よかったところは、しっかりみんなの方を向いていたところです。次もがんばります。(Mさん)

 

・前に出て発表していたNさんの発表がすごくわかりやすくて、声もよく聞こえた。私もNさんみたいな発表をしたい。(Yさん)

 

・2分の1を図で表す勉強をしました。発表した人は、たくさんいたけど、その中でもNさんの意見が心に残りました。なぜなら、声は小さかったけど、いっしょうけんめいがんばっていたからです。(Tさん)

 

・今日はチョコの分け方を考えた。Sくんの「かがみをつかう」という考え方がよかった。(Kさん)

 

 先生、みんなの振り返りを読んでいて、みんなにとって、発表が、勇気のいることなんだということが、とてもよく伝わってきました。それだけ、高学年になっているということかな。

 でも、その勇気がわかるから、友だちのがんばりを応援できている友だちがたくさんいた。それが嬉しかったです。

「発表は苦手だけど、つぶやきをがんばる」「でも、発表してみたい」など、いろいろな声が書かれていました。どれも、とってもすてきなノートでした。

(5年5組学級だより『5の5のきせき』2016年4月12日より)

 

当時の勤務校では、高学年になると発表する人数がぐんと少なくなるという傾向がありました。でも、友だちの前で自分を表現することが難しいとすれば、その中で人間関係を深めていくことは難しい。そう考えているので、この壁をみんなでぶち壊していきたい。とはいえ、こちらから、「手を挙げなさい!」とか「なんでわかっているのに、あげないの!!」って声を荒げるのは嫌です。「手を挙げさせられている」と感じさせるのも嫌。

だからこそ、できている友だちの姿を広げ、共有して、めざす姿としていく必要があると考えています。

 

クラスの中にAとBという姿を見つけ、AとBとのどちらがよいかを考えさせる。

理想を決めたならば、それに近づけるかどうかを考える。

簡単に近づけないという答えになったならば、そこに近づくために何が障害になっているのかを考える。

一歩一歩理想に近づいていくことを子どもに実感させることが、学級づくりの最初の一歩だと、考えています。

 

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