ぼくのきせき

「子どもの心に火を灯す ⇄ 自分の心に火が灯る」 実現めざした学びの軌跡

学級だよりバックナンバー|子どものノートから「聴く」学級をつくるために(2017年4月13日「6−1のきせき」第7号より)

はじめての授業を紹介しました。

これは、そのときの子どもたちのノートをもとにしてつくった学級だよりの抜粋です。

ノートを紹介する時に、子どもたちのノートから引っ張り出すのは、子どもたちの「振り返り」部分であることが多いです。

最初のポイントでしっかりノートを書くように指導していかないと、1年間の途中で帰るのは本当に大変。だからこそ、最初の一歩を大切にします。

 

 

4月に大切にする「聴くこと」とそれを根付かせるためのノート

とくに、当時の勤務校は学習を苦手とする子どもが多かったこともあり、ノートの提出を大切にしていました。

でも、ぼくは、同じノートを何冊も見て、同じハンコを同じ箇所におしていくというチェックが大っ嫌い。だから、ひとりひとりが違うノートをつくることを求めていきます。

 

みなさんは、授業の最初で何を大事にしますか?

ぼくは、友だちの話をよく聴く姿勢をつくることを重視しています。

ノートの最初の役割も、子どもたちのそのような意識を根付かせていくためのツールです。ノートには、必ず友だちの名前とカギカッコを入れるようにと、指示しています。

子どもによっては窮屈を感じるようです。でも、この期間を乗り越えることで、ぐんとよくなるノートをたくさん見てきました。ただ、そのような指示よりも大事なのは、ノートをチェックすることです。チェック機能がはたらかないルールは、基本的にどれもうまくいかない。言うだけ、指示するだけで子どもたちができるようになるなら、ぼくたちの仕事は簡単です。でも、そうはいかないから、そこをなんとかします。

 

とはいえ、言うだけで、こちらの想像より上のクオリティを発揮する子どもも、必ずいます。その子たちを取り上げ、その子たちの姿を認め、その子たちの姿を広げる。それがスタートです。

同時に、「まねをすることはかっこ悪い」という雰囲気を無くしておくこと。これも欠かせません。そのためにも、「〇〇くん、さっきの△△さんのアイディアをいかしているなんて、すごいね。さすがだね」と、向上しようとしている姿を認められるように、クラスの中の動きに集中するのです。

 

最初の数時間は、とくに、「先生を探る」子どもの目線と子どもに伝える「先生の言動」との交流が頻繁に行われます。この交流を、子どもの意識に残るようにしていくことが、4月スタートで大切なところだと考えています。

 

バックナンバー:「ノート0」

ちょっと長くなりましたが、バックナンバーどうぞ。

昨日は、初めて算数のノートを作りました。

「作る」と書きましたが、これが先生気持ちをすでに表しています。

「ノートは書くものではなく、作るもの」

これから、そういう気持ちで、ノートを仕上げていってほしいです。

ノートは、1年分ためていきます。1冊終わるたびに、先生がパンチで穴を開けて紐でとじていきます。学習のきせきを残しながら、先生は、みんなの「がんばった証拠」を大切にしていきたいと感がているのです。

昨日のが6年生最初のノート。

だから、ここから、どれくらい成長できるかが、楽しみなところです。そういうわけで、出発地点という意味を込めて「レベル0」と名付けました。

友達のノートに、どんなことが書いてあったのか、紹介しますね。

 

昨日、みんなで積み木ゲームをして、YちゃんとIちゃんとといっしょにチームになって、誰が積み木を一番高く詰めるかをやった。倒れたけど、Yちゃんが、「もう一回やろ!」と言ってくれて、自分も、もう一回やろっていう気持ちにもなれて、すごくこのゲームが楽しかったなぁって思いました。(Mさん)

 

昨日僕は、Gくん、Hくん、Oくんと、パターンブロックをしたとき、とても良い作戦ができました。どれだけ積み上げられるかの勝負だったけど、Oくんがヒントを言ってくれました。それは、「色は、色で積み上げよう」ということでした。僕も何か言おうと思ったとき、言えなかったけど、Hくんが「Jは、形を作ってー」と言ってくれました。僕も役目があって、必要とされていることがわかって、とても嬉しかったです。だから、Hくん、Gくん、Oくんに、支えてくれてありがとうって言いたいです。そして、いつか僕も、指示を出してみたいなって思いました。(Jくん)

 

 

AくんもN君もすごい綺麗な模様を作ったり、タワーのときもいっぱい重ねていて、すごく高いタワーを作っていました。(Pくん)

 

パターンブロックで綺麗な模様を作りました。そのとき、Bさんが綺麗な動物みたいな形を作っていました。すごいと思いました。ブロックを積み重ねたときは、みんなのアイディアで高く積み上げることができて嬉しかったし楽しかったです。一番大きい形のやつから積み重ねていこうって
Bさんが言っていて、大きいのから積み重ねていったら、高くまで積み重ねることができました。(Sさん)

 

昨日Uさんと、綺麗な模様を作って「この形の方がきれいやん」って話しながら作りました。一番はじめに作ったクモみたいな形が、一番作るのに時間がかかりました。ブロックを重ねて勝負したときは、CさんとNさんと一緒にやりました。ブロックの向きを変えて、積んで協力できて、楽しかったです。(Tさん)

 

昨日はパターンブロックできれいな模様を作った。Sちゃんは自分の形を「変な形」って言ってたけど、どれもみりょくてきだった。私も作ったけれど、エスニックぽくなっちゃった。Yちゃんとかは、ほめてくれたけど、でもやっぱり変な形だった。楽しくて、もっとやりたくなりました。積み上げるときも、チームプレイだからドッキドキしました。こかしそうなとき、びっくりしたけど、助けてくれて本当にうれしくて、たまらなかった。まけちゃったけど、みんなといっしょにできたから勝ち負け関係なく思えました。(Nさん)

 

 

 

まだ一回目の授業ですよ。すごすぎでしょ。

みんなは、今年、どこまでいっちゃうんだろう・・・。楽しみです。

やりながら、「算数???」って思ったって、Kんは書いてくれていたけど、正真正銘算数でしょう。というより、算数にむかうための準備体操です。めざすところがあって、そこにむかってみんなで考えていく。失敗なんてこわくない。失敗も、成長のためのステップにする。そういうことが、算数の大切な部分。しっかり学べていましたよ。

(2017年4月13日 6年1組学級だより「6−1のきせき」第7号より)

 

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